売上高利益率はROS(Return On Sales)とも言われ、収益性の指標です。
対象とする「利益」には分析する目的に合わせて、売上総利益(粗利)・営業利益・経常利益・(親会社株主に帰属する)当期純利益などを当てはめます。
計算式
分子の利益には主に次にような利益を使います。目的に合わせて使い分けてみましょう。
利益区分 | 計算式 |
①売上総利益 (粗利) |
売上高 ー 売上原価 |
②営業利益 | 売上総利益(①) ー 販売費および一般管理費 |
③経常利益 | 営業利益(②) + 営業外利益 ー 営業外費用 |
④当期純利益 | 経常利益(③) + 特別利益 ー 特別損失 ー 法人税等 |
企業事例
実際の連結損益計算書を基にそれぞれの利益と売上高利益率を計算してみましょう。
まずは売上高から営業利益までです。
まずは第1段階の利益として売上総利益(粗利)があります。ここで求めるのは売上高売上総利益率です。別名「粗利益率」です。
次に第2段階の利益として営業利益があります。ここで求めるのは売上高営業利益率です。
次に経常利益までを見てみましょう。
第3段階の利益として経常利益があります。ここで求めるのは売上高経常利益率です。
最後に親会社株主に帰属する当期純利益までです。ちなみに連結損益計算書には「非支配株主に帰属する当期純利益」が計上されている場合があります。当期純利益には「非支配株主に帰属する当期純利益」も含まれているため、純粋に親会社だけの当期純利益を基に利益率を計算する場合は、一番下の「親会社株主に帰属する当期純利益」を使うのが適切かと思います。
最終段階の利益は(親会社株主に帰属する)当期純利益です。ここで求めるのは売上高当期純利益率です。